
- バーナム効果って?
バーナム効果は1956年にアメリカの心理学者ポール・ミールが名付けた心理現象のことです。
「誰にでも当てはまる要点というものがある」というバーナムさんの言葉に因んで名付けたものです。
バーナム効果はフォアラー効果とも言われますが、名付けた人が違うだけでどちらも同じ現象です。
バーナム効果は、曖昧で普遍的な記述を自分のものとしてとらえてしまう現象のことです。
つまり、誰にでも当てはまる内容を自分だけに当てはまるものだと思ってしまうのです。
- 誰にでも当てはまるんだよね
たとえば、血液型占いで
「A型の人は真面目で、普段元気に振る舞っていても内心では不安を抱えています」
「B型の人は自己中心的で、自分の意見を曲げないでしょう」
「O型の人は大雑把で物事を適当にすませてしまうところがあります」
「AB型の人は変わり者で、非現実的な願望を抱いています」といった文章を見たことがあると思います。
どうですか?
自分の血液型の特徴が当てはまると思ったでしょうか?
でもよく考えてみてください。
この文章、誰にでも当てはまると思いませんか?
だいたいどんな人も真面目でしょう
。24時間ふざけているような、おちゃらけた人間なんてそういません。
人前で明るく振る舞うというのも、人には愛想というものがありますから当然です。
どんより暗い人はうつ病の傾向があるので今すぐ病院に行ってください。
内心で不安を抱えるのも当たり前のことです。
学校、会社、趣味、仕事、悩みのない人間なんていません。
B型の人の特徴として挙げられている「自己中心的」というのも誰にでもあります。
人間、多少は自己中心的な部分があるものです。
自己中心的な部分がまったくない人間なんていません。
O型の「大雑把で物事を適当に片付ける」というのも、誰にだってあることです。
「面倒くさいからちょっと雑にしちゃおう」なんて手を抜くことなんてしょっちゅうあると思います。
AB型の特徴とされている「非現実的な願望を抱く」なんてところも同様です。
「宝くじ当たらないかな」「絶世の美女にモテたい」なんて願望、本気ではないにしろ思う時だってあるでしょう。
これらは誰にでも当てはまる文章です。
文章を入れ替えたとしても気付けないでしょう。
血液型占いでは「A型はこう」というような固定観念があり難しいですが、
たとえばこれが血液型ではなく星座占いだったらどうでしょう?
「おひつじ座の人は他人から好かれたい、称賛されたいと思っている」
「おうし座の人は使われず生かしきれてない才能を持て余していると感じています」なんて言われたら、
当てはまると思ってしまいませんか?
- 実験してみた
アメリカの心理学者のフォアさんは、学生たちに性格検査と称してテストをしてみました。
「外見的には規律正しく自制的ですが、内心ではくよくよしたり不安になる傾向があります」
「正しい判断や正しい行動をしたのかどうか真剣な疑問を持つときがあります」といった文章を並べ、
自分にどれだけ当てはまっているかを「全然そう思わない」の0点から「非常にそう思う」の5点の5段階で採点してもらいました。
この時の平均点はなんと4.26点で、ほとんどの人が「非常にそう思う」「そう思う」と答えたのです。
誰にでも当てはまる項目なのに、自分の特徴だと思ってしまったのです。
- 本当にそれはあなたの特徴ですか?
試しに知り合いや家族の人に星座占いと偽って「○○座の人は独自の考えを持っていることを誇りに思っているが、
他人に自分のことをさらけ出しすぎるのはよくないと思っています」などと言ってみてください。
当たっていると返答されたら、その人はバーナム効果を受けているということです。
どうですか?
今度から雑誌についている占いのページを読む時にこのことを意識して読んでみてください。