不気味の谷現象とは?

  • 不気味の谷現象とは?

不気味の谷現象というのをご存知でしょうか?

不気味の谷現象とは、ロボット工学や美術などでよく用いられる用語で、

ロボットや彫刻など、リアルに作られた人の顔がなんだか不気味に見えるというものです。

また、そこから意味を広げて「動作はリアルだけど人間らしさがない」という違和感を指すこともあります。

 

  • 不気味に感じる谷

これはロボット工学者の日本人が提唱したものです。

のちにロボット工学のパイオニアとなる彼は「ロボットの外観や動作が人間らしいほど好感的、共感的に感じ、

親しみをおぼえる人が多くなっていきますが、ある時点で突然強い嫌悪感に変わります。

そこからさらにロボットの外見や動作をリアルに近づけ、

本物の人間の外観や動作と見分けがつかなくなると再びより強い好感に転じ、

人間と同じような親近感を覚えるようになる」と考えました。

このロボットのリアルらしさと好感度の推移をグラフにするとちょうどV字のようになっていることから、

不気味の谷現象と名付けられました。

 

  • 閲覧注意

不気味の谷現象というのは、実験に基づいた科学的な説ではありません。

あくまで予想や推測によって立てられた理論なので非科学的であると非難されてきました。

しかし、映画やゲームなど、キャラクタービジネスの世界では、この理論が重要な問題として捉えられてきました。

 

代表的なものでは、2001年に発表されたCGアニメ映画「ファイナルファンタジー」です。

当時のCG技術を駆使し、圧倒的な美麗CGによる映像でしたが、キャラクターが汗をかかない、

目線が明後日の方向を見ている、唇の動きが台詞とずれているなど、

人間らしさがまったくなく違和感をおぼえる部分が非常に多く、非常に奇怪なものとして視聴者の目に映りました。

 

他にも、マネキン人形などは成形技術が発達したおかげで

精巧なマネキン人形「スーパーリアルマネキン」を作ることができるようになりました。

しかしリアルすぎるマネキン人形は見ている人に不気味さを感じさせ、

マネキン人形への忌避感からマネキン人形に着せた服が売れないという問題が発生し、

スーパーリアルマネキンは衰退したというエピソードがあります。

これもまた、不気味の谷現象によるものです。

 

  • 谷を乗り越えろ

映画業界やゲーム、アニメ業界などはこういった不気味の谷現象に悩まされてきました。

リアルに近づければ不気味の谷現象がやってくる、

デフォルメすれば「リアルさがない」と視聴者やプレイヤーに思われてしまうという板挟みにあってきたのです。

その解決方法として採用されるようになったのが「モーションキャプチャー」というシステムです。

モーションキャプチャーは人の動きをデジタル的に記録する技術で、

全身に貼り付けたマーカーによってデジタル的に処理し、取り込むものです。

このモーションキャプチャーという技術を使い、

キャラクターに人間らしい動きをさせることで違和感をなくし、不気味の谷現象を乗り越えることができました。

こうして、人間の動作に関してはだいぶ乗り越えることができるようになったのですが、

顔の造形の分野ではまだまだ課題が多いというのが現状です。

グラフィック技術の限界による「似せても似せきれない部分」によって不気味の谷に落ちる危険がまだまだあるのです。

アニメやゲームのフィギュアなどではキャラクターの造形が大きく崩れたことで不気味の谷現象が発生し、

元のキャラクターの原型をとどめなくなってしまったものがあります。

こういった不気味の谷に陥ったフィギュアを指して「邪神」などと揶揄されることがあります。

 

  • 科学的に証明しよう

不気味の谷現象が提唱され、人々へ認知が広まったことで脳科学の分野などで不気味の谷現象の解明が行われるようになりました。

その結果、脳の「対象の外見を認知する部分」と「対象の動きを認知する部分」で齟齬が起き、

処理不能になったことで起きるものだと判明しました。

ともあれ本格的な解明はまだまだこれからで、今後の更なる研究に期待が高まります。

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