バター猫のパラドックスとは?

  • ■バター猫のパラドックスとは?

「バター猫のパラドックス」とは、マーフィーの法則からなる2つの法則を皮肉った思考実験のうちのひとつです。

 

  • ■思考実験とは?

思考実験とは、実際にやるのではなく、頭の中だけで想像して考えた実験のことです。

化学の基礎原理に反しない限りで、極端に単純化、簡易化された状況で想像するものです。

たとえば、「ものが滑って移動する」ということを考えると、

実際は摩擦だとか表面の小さなデコボコなどで減速したり停止したりしますが、

思考実験の中だとそういった摩擦だとか何だとかの要素は全部除外され、

「(壁などにぶつかるまで)ずっと滑り続ける」ようになります。

そういったちょっとおかしな想像の世界で行われるのが思考実験というものです。

 

  • ■マーフィーの法則とは?

「安価なものは雑に扱っていても壊れないのに、

丁寧に扱っているはずの高価なものに限って壊してしまう」

「おろしたての服を着た日に限って汚してしまった」

「ゲームで、成功率99%と書いてあるものに対し、1%を引いてしまって失敗する」

といった経験はないでしょうか?

マーフィーの法則とは、まさにそれです。

「失敗する余地が1%でもあるならば失敗する」

「失敗してほしくないものに限って失敗する

」というのがマーフィーの法則です。

そのマーフィーの法則により定義されている現象があります。

「バターを塗ったトーストをカーペット(高級であればあるほどよい)の上に落とすと、

必ずバターを塗った面が下になる」というものです。

バターがついてしまってカーペットがだめになってしまうという「あるある」ですね。

バター猫のパラドックスの「バター」の部分はその現象のことを指しています。

 

  • ■バター猫?

法則A:猫はどんな高さから飛び降りても、足を下にして着地する

 

これを読んでいる皆様も、経験や知識などでわかると思います。

たまに背中から落ちるドジな猫もいますが、たいていはちゃんと着地しますよね。

バター猫のパラドックスの思考実験では、背中から落ちるドジな猫のことは除外して、

「猫は必ず足を下にして着地する」と定義されます。

 

法則B:バターを塗ったトーストは常にバターを塗った面を下にして着地する

 

これはさっき、マーフィーの法則で説明したとおりです。

バターが塗った面と塗っていない面のバターの有無による重さの差がどうとか、

それによる重心の変化がどうとかそういったことは無視です。

細かいことは抜きにして、トーストは常にバターを下にして落ちるんです。

 

・では、バターを塗ったトーストをくくりつけた猫(バター猫)が落ちたらどちらが下になって着地するのか?

 

バターをたっぷり塗ったトーストを、

バターを塗った面を上にして猫の背中にくくりつけ、ある高さから落としたらどうなるだろうか?

 

本当に投げたら動物愛護団体から抗議が来るので想像の中だけですよ。

猫は足を下にして着地するから足が下? それともバターを塗ったトーストが下?

 

もし実際にバター猫を落とすならば、2つの最終結果のうちのどちらか一方は決して起こらないことになります。

 

  • ■つまりどういうこと?

猫の足が着地するか、バターの面が着地するのか。矛盾していることに気付いたでしょうか?

もし猫が足を下にして着地すれば、トーストはバターが塗られた面が上になったままです。

これでは法則Bが成立しません。

逆にバターが塗られた面が下になって着地するならば、猫は背中から着地することになるはずです。

法則Aが成立しません。

両方の法則を成立させるためには「バター猫は着地してはならない」ということになります。

結論の先送りです。結論が出ると矛盾のせいでどちらかの法則が壊れてしまいますからね。

つまり、結論を先送りされたバター猫は「着地の直前のまま、足が下かバターが下かで永遠に回転し続ける」ことになるわけです。

 

当然、実際にやったらそんなことはありえません。でも思考実験の世界ではそれが可能なんです。

ありえないことを可能として定義する思考実験というものを皮肉するために生まれたのが、バター猫のパラドックスです。

 

検証しようとしてバターをくくりつけた猫を投げないでくださいね!

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