
- カリギュラ効果とは?
カリギュラとは、古代ローマの皇帝カリギュラをモデルにした映画「カリギュラ」からきています。
この映画はあまりにも残酷で過激な内容であったため、公開当時のアメリカのボストン州では公開禁止になりました。
しかしその公開禁止が話題を呼んでしまい、一大旋風を巻き起こしました。
このことから、禁止されるとかえってやりたくなる、見たくなるということをカリギュラ効果と呼ぶようになりました。
これは日本だけの用語で、心理学術的な用語としては「リアクタンス」と呼ぶようです。
- やってはいけない話
パンドラの箱という逸話があります。
パンドラという女性が、開けてはならないという箱を開けてしまったことで世界中に不幸が生まれたという内容の話です。
またギリシャ神話の神オルフェウスは死んだ妻を冥界から連れ帰る際に、
地上に戻るまでは背後にいる妻の姿を見てはならないという禁止に違反してしまい、
妻を冥界に連れ戻されてしまったという話があります。
これらの話は「見るなのタブー」とも言われますが、これもカリギュラ効果によるものです。
人は自由を阻害されるとそれに反発する生き物です。
自由を阻害されるとストレスを感じてしまい、そのストレスを克服するために強い欲求が湧き上がります。
「見るな」というストレスを解消するために「見ようとする」のです。
- 日常で使われるカリギュラ効果
テレビなどのメディア業界ではよくカリギュラ効果が使われます。
心霊番組などで「怖い映像が苦手な方はこの先を見ないでください!」と言われると、
何が起きるのか気になってしまい最後まで見てしまいますし、
暴露番組で出演者の発言の一部が「ピー」という効果音で隠されたりモザイク処理で映像や画像の一部を見えなくされていると、
「何があるのだろう」と気になってしまい視聴者は興味を引き立てられてしまいます。
子供に「危ないから車道に飛び出してはいけません!」と何回言い聞かせても
車道に飛び出す遊びをするのもカリギュラ効果によるものです。
禁止されると逆に興味を持ってしまうというカリギュラ効果によって、
忠告を無視して危険な遊びをしてしまうのです。なので「~してはいけない」と頭ごなしに禁止するのはよくありません。
このように日常には様々なカリギュラ効果が潜んでいます。
カリギュラ効果をうまく使って人の行動を操作するマーケティングもあります。
知っておくとビジネスシーンで役に立つかもしれません。