
- 単純接触効果とは?
単純接触効果とは、アメリカのロバート・ザイアンスが提唱した理論です。
ザイアンスの単純接触効果、ザイアンスの法則とも呼ばれます。
単純接触効果とは、接触を繰り返していると、そのものに対しての好感度が上がっていくというものです。
はじめのうちはまったく興味がなかったり、嫌いだったり苦手だったりしたものも、
何度も見たり聞いたりしてそれに触れていくうちに、次第によい感情が起こるようになってくるようになるのです。
- 単純接触効果のしくみ
これは、見たり聞いたりすることで作られた記憶が頭の中で歪められていくことによるものです。
人間は、初めて見るものに対しては警戒心を抱く生き物です。
しかし、しだいにその存在に慣れていき、警戒心が解けていくようになります。
この仕組みを利用したのが単純接触効果です。
これは図形や文字、におい、手触りなど、いろいろなものに対して発生します。
単純接触効果は会った回数に比例するといわれています。
誰かと長時間一緒に過ごすことよりも、
一瞬でもいいので何度も出会った時の方がその人への好感度が高かったという研究結果もあります。
- 日常で使われる単純接触効果
テレビはよくこの単純接触効果を使っています。
同じCMを何度も流すことによって視聴者にその商品の好感度を高め、買ってもらおうとします。
CMでの登場が多いほど、よい商品だと思ったり欲しくなったりするのです。
買い物で商品を選ぶ時にはテレビCMで見たことのない商品よりも、テレビCMで見た商品の方が身近に感じるようになります。
単純接触効果によって成功した例といえば、ユニクロが挙げられます。
ユニクロは毎週末に新聞に折込チラシを入れています。
毎週そのチラシを見ることで単純接触効果が起き、服を買おうという購買意欲につながります。
また、単純接触効果は恋愛のテクニックとしても使えます。
毎日の挨拶だけでもいいので、意中の人に声をかけてみましょう。
単純接触効果によって相手にいい印象を与えることができます。
接触回数を増やすことは営業やセールス職でも有効です。
断られたとしても何度も顔を出すようにすると、
単純接触効果によって相手が心を開き、話だけでも聞いてくれるようになるかもしれません。
この接触には、直接会うということだけではありません。
電話やメールなどのコミュニケーションでも単純接触効果は発生します。
ただし、単純接触効果は相手に対する好き・嫌いの感情が芽生える前の段階のみ有効です。
もし、相手があなたのことを元々嫌いであった場合、接触回数を増やしたところで好意が発生することはありません。
むしろ逆効果で、ますます嫌いになってしまうでしょう。
そして、接触回数に比例するからといって1日に何度も接触しようというのもよくありません。
あまり何度も会ったり話しかけたりすると「しつこい」「くどい」などの悪印象をもたれてしまうでしょう。
多くても1日1回まで、少なくても週2~3回が最も効果的だとされています。
対人関係の場合は、最初の10回のスタートが肝心です。
それ以上は単純接触効果の効果がそれほど出ませんので、最初の第一印象が重要となってくるでしょう。