バウムテスト 後編

  • 全体

では、ここから絵の分析に移っていきたいと思います。

まず、用紙の使い方について見ていきます。

紙は横向きですか?縦向きですか?

横向きの人は、現在、自分の置かれている状況に不満を抱いています。

縦向きの人は、特に可もなく不可もなくといった感じで、大きな満足も不満も抱いていないということです。

筆圧が強い人は積極的、攻撃的、活発で自己主張が強く、筆圧が弱い人は、消極的、無気力、不安があって引っ込み思案です。

影の描写などで筆圧を使い分けてるわけでなく、安定しない筆圧の人は情緒不安定で、

常軌を逸した行動を起こす場合もあるちょっと危険なメンタリティを持っています。

また、描くのが早い人は衝動的で短気、描くのが遅い人は慎重で気長という傾向があります。

 

木を描く順番は幹が最初でしたか?葉が最初でしたか?それとも地面を先に描きましたか?

幹を先に描いた人は安定的な性格をしており、葉を最初に描いた人は表面的な見栄えを気にします。

地面を先に描いた人は他者依存の傾向があります。

 

 

  • 木の位置や場所

さて、次に紙に対して木がどこにあるかというところに着目していきます。

紙の真ん中に描いた人は情緒が安定している人、

紙の右側に描いた人は自己肯定感が強い、他者支配的、紙の左側に描いた人は現実逃避的で内向的です。

上側に描いた人は飽きっぽく、空想しがち、夢見がちで、下側に描いた人は現実主義で実直な人です。

右上や左下など、斜め寄りに描いた人は以上の傾向をミックスした人になります。

 

では、木の大きさについて見ていきましょう。

紙に対して大きく木が描いてあるほど、自信に溢れて積極的であることを表しています。

小さければその逆で、何事にも自信がなく、引っ込み思案であるということです。

 

それでは木の視点はどこにあるでしょうか?

木を見上げた状態の視点の場合、その角度がきついほど卑屈でへりくだった性格であるということになります。

見下ろした状態の視点では、自信過剰で威張り散らす性格です。

まっすぐ真横であればどちらでもないニュートラルな性格です。

 

  • 木や幹、枝の様子

木は自身の自画像が現れているとされます。

きっちりとした左右対称は抗うつ傾向があり、自尊心が低く、不安を強く感じているという現れです。

左右非対称でぐにゃぐにゃと崩れていると、気分が安定せず、ヒステリックになりやすい傾向を示します。

 

幹はあなたの生命力を示します。

幹を真っ直ぐ描いた人は頑固で意固地、

幹が右曲がりである人は嫌と言えないお人よし、幹が左曲がりの人は引きこもり願望ありです。

幹に模様(樹皮)がある人は周りの視線を気にする人で、傷がある人はその人のトラウマを表します。

 

枝はあなたの知性や感情を表します。

枝が広がっている人は注意力散漫な人です。

枝が尖っていると批判的であったり、攻撃的であることを示します。

枝がぐにゃぐにゃ曲がっている人は妙なところでこだわるマニアックな性格であるでしょう。

 

花は異性を、実は子供を示しており、数が多いほどそれに関心のある人ということになります。

花がたくさんついた木を描いた人は浮気性かもしれません。

 

  • どうでしたか?

どういう結果があらわれたでしょうか?

もしかしたらとんでもない内面に気づいてしまったかもしれません。

バウムテストは被験者の深層心理を探るためのテストですが、

バウムテストをしたからといって深層心理のすべてがわかるわけではありません。

ここでやったものは、なんとなく「こういうものなんだ」くらいの感覚で結果を受け止めるのがいいでしょう。

どうしても正確に知りたいのであれば、近くの心療内科や精神科をたずねてみてください。

バウムテスト 前編

  • この木なんの木

「バウムテスト」とはドイツの心理学者が考案した心理テストです。

バウムとはドイツ語で「木」という意味です。

バウムクーヘンのバウムです。

バウムクーヘンの由来は細やかな同心円の模様が木の年輪に似ていることからつけられたんですよ。

どういった心理テストなのか説明してしまうと読者の皆さんはきっと身構えてしまうので、

何も説明はしないまま早速やってみましょう。

 

  • やってみよう

用意するもの

・白紙(サイズはA4でもB5でもある程度の大きさがあれば自由)

・鉛筆、消しゴム

 

用意できましたか?

では、紙に「木」を1本描いてください。

写生ではないので、窓から見える街路樹なんかを描かないでくださいね。

「木」と言われてぱっと思いついた木を描いてください。

実在、非実在は問いませんし、「木って針葉樹?広葉樹?」「紙は縦向き?横向き?」「実や花は描くの?」というのも自由です。

背景や地面を描いても描かなくてもどちらでもいいですし、絵の上手い下手は問題ありません。

また、時間制限もありません。さらさらっと適当に描いてもいいですし、がっつり書き込んでも構いません。

 

描けたでしょうか?

では、読者の皆さんが気になっているであろう「これで何がわかるのか」について説明していきます。

 

  • 何がわかるの?

バウムテストは「投影法」と呼ばれる心理テストです。

投影法とは、その人が図形を見て感想を抱く時、自分の内心を投影しているのだという説に基づくテスト方法です。

普段意識しない内心が投影された回答を分析することによって、

自分のパーソナリティや無意識的な衝動や欲動、知覚パターンなどを理解することができます。

平たく言えば、あなたの深層心理があらわれるのがバウムテストです。

 

自由に描いてもらった木の絵からあなたのパーソナリティを判断し、

その人の持つものの考え方、思考のくせ、言葉で表現しにくい内面の気持ち、深層心理などを知るのです。

企業によっては就職試験などにも採用されており、病院で実施された場合、診療報酬(簡単に言うと治療費)に含まれます。

ちなみに検査料は認知機能心理検査として行う場合、3割負担で840円程度のお金がかかります。

企業や病院に採用されるということは、このバウムテストは占いやオカルトの類ではない、

きちんとデータ化されて信用できる検査のひとつです。

 

同じようなテストに「HTPテスト」というものがあります。

HTPテストは家と木と人の絵をそれぞれ描くテストですが、

バウムテストはその「木の絵」という部分をより重視し、深く掘り下げたものです。

HTPテストがどういうものかについては、HTPテストについての記事で説明していますので、そちらを読んでみてください。

 

では、次の後編にて、絵の分析に移っていきましょう。

ロールシャッハテストとは? 後編

  • はじめに

前編では1枚の図形を見て色々答えてもらいましたが、残念ながらそれだけでは何もわかりません。

HTPテストの記事の時のように、それひとつで色々わかったら良かったのですが…。

できれば10枚すべて、最低でも半数程度の複数の画像から多角的に分析しなければ、

ロールシャッハテストを使った診断の回答は出せません。

そして診断できたとしても、診断した人によって内容が変わるというケースもあります。

これはロールシャッハテストの分析がとても難しいためです。

 

 

  • なにがわかるの?

普段意識しない内心が投影された回答を分析することによって、

自分のパーソナリティや無意識的な衝動や欲動、知覚パターンなどを理解することができます。

平たく言えば、あなたの深層心理があらわれるのがロールシャッハテストです。

 

無意識の隠れた部分を暴き出すロールシャッハテストは就職試験などにも採用されます。

しかも、医療機関で実施された場合、診療報酬(簡単に言うと治療費)に含まれます。

つまり占いやオカルトではない、きちんとデータ化されて信用できる検査のひとつなのです。

 

  • まずは記号化

ロールシャッハテストは、得られた回答を元にまずは記号化して整理します。

「図形のどの部分が」「何に」見えたとか、

そう見えた理由が「形がこうだから」「色がこうだったから」だとか、そういったことを全部コードとして書き出します。

このコード化が難しく、熟練の分析者と初学者がやるのではコードが別になる可能性があるのです。

 

たとえば、前編で出した画像について「リボン」という答えには

「画像の中心部が」「リボンに見えた」「その理由は赤くて、リボンの形をしていたからである」というように

コードとして書き出していきます。

このコードを統計的にまとめ、分析することでロールシャッハテストの回答が作られていきます。

 

  • すべてがわかるわけではない

ロールシャッハテストは被験者の深層心理を探るためのテストです。

ですが、ロールシャッハテストをしたからといって深層心理のすべてがわかるわけではありません。

「こころ」というものはそれだけ複雑なのです。

 

正直なところ、無料サイトでできるロールシャッハテストは一般的な画像占いと変わらないレベルです。

ネット上の診断では、どうしても選択式の診断になってしまいます。

それゆえに、「こう見えたのに選択肢になかったので別のものを選んだ」というケースがあり、

そうなってしまうと答えにブレが生じてしまい、正しい結果を得られないからです。

 

ネット上のものは、なんとなく「こういうものなんだ」くらいの感覚で結果を受け止めるのがいいでしょう。

どうしても正確に知りたいのであれば、近くの心療内科や精神科をたずねてみてください。

ロールシャッハテストとは? 前編

  • インクのシミ

ロールシャッハテストとは、別名「インクのシミのテスト」とも呼ばれます。

テストで用いられる図形がインクのシミのようなのが由来です。

ちなみに本当にインクを垂らして乾かないうちに紙を半分に折り、

ついたシミで図形を作ったので「シミのような」ではなく「シミそのもの」です。

 

ロールシャッハテストは投影法と呼ばれる心理テストのひとつです。

投影法とは、その人が図形を見て感想を抱く時、自分の内心を投影しているのだという説に基づくものです。

花を見て「きれいだな」と思う人も「ミツを求めて虫が来そう」と思う人も、

反応は千差万別ですが、それは心の内面を花に投影しているからです。

ロールシャッハテストはそういった投影法のテストの代表的なもので、発明された1920年頃から今まで広く使われています。

職業適性診断や免許取得時の適性診断にも採用されていて、就職試験などでも取り入れられています。

では、実際にどういうものか見ていきましょう。

 

  • やってみよう

ロールシャッハテストは10枚の図形カードを用いて行われます。

10枚全部の画像はあまりにもたくさんですので、

ネット上でできる無料診断テストなどでは4~5枚程度の画像が用いられるようです。

 

1枚だけ、試しにやってみましょう。

 

こんな画像を見せられ、「何に見えるか」「どの部分がそう見えたのか?」ということを答えていきます。

正解や不正解はないので、直感で自由に答えてもらって構いません。

絵全体でなく、画像の一部を切り取って「ここがこう見える」というのでも大丈夫です。

ちなみに、この画像だと「黒い服を着て向かい合った男の人」とか真ん中の赤いシミが「リボン」「チョウ」とか、

「端っこのインクの垂れが血に見える」とか「子宮」とか色々あります。

もちろんその他の見え方をしても全然問題はありません。

「こんな風に見えている自分は頭の病気なんじゃないか?」と不安になるかもしれませんが、

正解はないのでどんな見え方をしていても大丈夫ですよ。

「特に何も見えない」という人は、画像を縦にしたり逆さにしたりしてみてください。

画像はこの向きで貼りましたが、実は天地がないので逆さまにしてもOKです。

 

逆さにしてみました。何か見えましたか?

 

こういう風に、様々な図形を見て、それが何に見えるかと答えていくのがロールシャッハテストです。

被験者が答えた内容を整理し、統計化することで診断結果が抽出されます。

気になる方は「ロールシャッハテスト 無料診断」などで調べてみましょう。

HTPテストをやってみよう 分析編

  • なにがわかるの?

この3つの絵でわかるのは、描き手の内面です。

HTPテストは「投影描画法」と呼ばれ、描かれた絵には描き手の心理が投影されているとされています。

テストで描いた「家」「木」「人」の絵はそれぞれ描き手の内面を表しています。

 

それではテストで描いた絵について、ひとつずつ分析していきましょう。

 

  • 共通項

ひとつずつの絵を分析する前に、まず注目したいのは描いた絵全体の大きさと筆圧です。

紙は「自分を取り巻く環境」を表していて、紙に対してどのくらい絵が大きいか、

また筆圧はどの程度かで環境に対する自分の対応力がわかります。

紙いっぱいに描き、筆圧もしっかりしている絵を描いた人は、きちんと心の制御ができていて良い心理状態にあります。

紙いっぱいに描いたものの、筆圧が弱い人は無理して元気に振舞っているということになります。

全体的に小さい絵を描き、筆圧が強い人は自己抑制ができていて安定していますが、少し内向的な状態にあります。

全体的に絵が小さく、筆圧が弱い人は心理状態がよくないことを示します。

無自覚に鬱状態となっていたり、心が弱っている状況です。

 

また、絵が切断されている場所はありませんか?

勢いよく描きすぎて絵がはみ出てしまったり、うまく描けないと感じて描くのを諦めたなど、

事情は問いませんが、ぷっつりと途切れている場所はないでしょうか?

これはその絵が示す事柄について、未解決の問題がある、何かしらの葛藤があるということです。

 

また絵を描くのにかかった時間もポイントです。

時間がかかったものは、その絵が示す事柄について大事に思っていたり、反対に苦手に思っていたりすることです。

 

  • 家の絵

家は「あなたと家族の関係」を示します。

家族とは、実際にいる肉親のことであったり、将来結婚して家庭を持った時の家族像のことを指したりします。

いわば現実の家族と理想の家族ですね。

あなたが描いた絵はどちらに当てはまるでしょうか?

そういったことも考えながら次の要素を見ていきます。

見るポイントは家の大きさ、窓やドアの数、煙突の有無などです。

家の大きさはあなたにとっての家族の存在価値を表します。

紙に対して家が小さかったら、あなたは家族が要らないと思っているということです。

家が大きければ、家族の存在価値が高い=仕事より家庭を優先する人ということになります。

窓やドアはあなたがどう他人と接するのかの人間関係の付き合い方を示します。

自分の城である家を飛び出し、外とつながる窓やドアの数はあなたの人間関係が積極的であるかどうかがわかります。

窓をぴったり締め切っていると「他人に必要以上に踏み込まれたくない」という心理を示しますし、

窓にカーテンがかかっていると「人付き合いはするが本音は出さない」といったことを示します。

煙突は他人からの愛情を示しています。

サンタクロースが煙突から入ってきてプレゼントを渡すようなイメージです。

煙突が高いほど他人への要求も高いということです。

煙が出ていたら愛情を求めているということになります。

 

  • 木の絵

木は「無意識の自画像」を示します。

つまりこの木は、無意識のあなた自身ということになります。

木全体の大きさが大きいほど、内面的に豊かであることを示します。

幹の太さは内面の安定感を示し、根がしっかりしている絵はより安定的な内面をしているということになります。

葉は自分と他人の緩衝地帯を示し、葉が多いほど寛容な人です。

花は異性を、実は子供を示していて、数が多いほどそれに関心があるということを示します。

枯れ木だった場合は、自分に劣等感や無力感を感じているということです。

また、折れた枝や幹についた傷、木のうろといったものはなにかのトラウマがあったことを示します。

 

  • 人の絵

人の絵は、自分で自覚している自画像や他人に対する感情を示します。

紙に対して人の絵が大きいほど、あなたは自分に自信を持ち、

活発で自己主張がしっかりしているということを示します。

逆に小さければ、自信がない、自己肯定力が低いということになります。

走っている、手を振っているなど絵の人物に動きがあった場合は、自分がエネルギーに満ちているということになります。

絵では棒立ちでも、絵について語った時に「この人は何をしている」というワードがあれば「人物に動きがある」に含まれます。

人物がケガをしていたり病気であったりした場合は、その箇所についてあなたも問題を抱えていると感じているということになります。

たとえば、絵の人物が右手をケガしていたら、あなたも右手を使う何かしらの行為に対して問題を感じているということです。

それは「絵を描くことが好きなのに画力がない!」といった悩みであったり、

「キーボードの打ち込み過ぎで腱鞘炎気味…」であったり、

「パソコンの前に座りすぎて肩こりがひどい」と思っていたり、色々あると思います。

 

思い当たる節はありませんか?

 

  • まとめ

分析をして、色々なことがわかったと思います。

意外な深層心理に気付けましたか?

 

かといって、分析結果を鵜呑みにして「自分はこういう人間なんだ」と決めつけるのはよくありません。

あなたが「どういう思いで絵を描いたか」ということの方が分析結果よりも重要です。

そもそも私たちは心理学をろくに学んでいない素人です。素人判断ほど怖いものはありません。

なので鵜呑みにせず、「なるほどね~」くらいの気軽な気持ちで受け止めてください。

HTPテストをやってみよう 実践編

  • HTPテストとは?

HTPテストとは、アメリカの心理学者が考案したもので、

3枚の画用紙にそれぞれ「家」「木」「人」の絵を描くことでクライアントの人格や心的状態を把握するという描画テストです。

「家(House)」「木(Tree)」「人(Peason)」の頭文字をとってHTPテストと呼ばれます。

モデルが家、木、人とわかりやすいので、子供から大人までできる幅広いテストです。

テストといっても点数をつけて優劣をつけるというものではなく、診断や判定といった意味のテストです。

「人格に問題がある!」とか「性格良い!」とかそういうことを決めつけるものではないので、気構えずにやってみてください。

 

  • 実際にやってみよう

用意するものは

・ストップウォッチ(もしくは秒単位で時間がわかる時計)

・A4程度の大きさの3枚の紙(ある程度の大きさの紙であればサイズはA4でなくともOKです)

・鉛筆、消しゴム

この3つとなります。

1枚目の紙を横にして、家の絵を描きます。

この時、ストップウォッチで描き始めから描き終わりの時間を記録してくださいね。

「家って言っても…立体的に描けばいいの?イラスト的に描けばいいの?」とか

「平屋?それとも複数階建て?」「紙の全面を使えばいいの?真ん中にぽつんと描けばいいの?」とか疑問に思うかもしれませんが、

「家」と言われてぱっと思い浮かんだもので大丈夫です。

深く考えず、思うままに自由に家の絵を描いてください。

描けたら、紙の裏あたりにでも描き終わりまでかかった時間をメモしてから2枚目の紙に取りかかります。

2枚目の紙は縦にして、そこに木の絵を描きます。

ちゃんとストップウォッチで時間を計測することを忘れずに。

また、家の時のように、思うまま自由に描いてください。

針葉樹でも広葉樹でも、どんな木でも構いません。

「木」と言われて思い浮かんだ木の絵を描いてください。

画力がなくてうまく描けなくても問題ありません。

木の絵が描けたら、家の時のように描き終わりの時間をメモしてから3枚目にいきましょう。

3枚目は縦の状態で、人の絵を描きます。性別や年齢などは自由ですが、

ただし顔だけではなく、全身描いてください。

「人」と言われて思い浮かんだ像を描いてください。

ここでも、人の絵の描き始めから描き終わりまでの時間をストップウォッチで測ります。

描けたら時間をメモしてくださいね。

 

ちなみに、1枚の紙に家も木も人も全部描くやり方もあります。

その時でも、描き始めから描き終わりの時間を測ってください。

3つの絵が描けましたか?

ではそれぞれの絵について、思うことを語ってください。

「この家は自分が老人になって隠居する時に住みたい家として描いた」だとか

「この家には若い夫婦が2人住んでいるという設定で描いた」とか

「この木は樹齢1000年の天然記念物なんだ!」「さっき描いた家に住んでる人」といった設定から、

「この家の窓には鍵がかかっている」「この木は若くてみずみずしい印象がある」

「自分で描いておいてなんだけど、この人なんだか元気なさそうな雰囲気」といった印象や感想、

「パースが歪んでる」「自分の絵下手だな~!!」「我ながら人生最高の木の絵だと思う」といった絵の技術に対する感想など、

どんなことでもいいので語ってみてください。

それらの感想は別の紙にすべてメモしておきましょう。

特に制限時間などはありませんので、好きなだけ、思うように語ってください。

「家の絵は1分で言うことなくなったのに人の絵は5分喋ってもまだまだ言いたいことが出てくる!」

というようなことになっても大丈夫ですよ。

 

では、次の記事で分析していきましょう。

ゼノンのパラドックスとは?

  • 飛んでいる矢は止まっている

これは、古代ギリシャの哲学者ゼノンが提唱したパラドックスのうちのひとつです。

ゼノンは物や生物の運動についてのパラドックスを多く残していて、

これはそのうちの「運動のパラドックス」という中に記されたものです。

 

  • 運動と静止

ゼノンは運動のパラドックスの中で

「目的点の半分の点まで到着するには、その前の半分の半分に着いていなければならない。

さらにその前の半分にも同様、と限りなく先に着いているべき点があり、一歩も進まない」と説いています。

その例として矢を用い、「飛んでいる矢は止まっている」という結論を出しました。

 

放たれた矢が1メートルを飛ぶためには、その半分である50センチの地点に到達しなければなりません。

ではその50センチの地点に到達するためには、その半分である25センチの部分に到達しなければなりません。

25センチの地点に到達するためには……と続けていくと25センチは12.5センチになり、

6.25センチになり、3.125センチになり…最終的には0.0000000…ミリとなります。

もうここまでマクロな世界になるとはじめから動いていないも同然です。

よって、飛んでいる矢は止まっているということになるのです。

わかりにくいでしょうか? 試しに矢の動線を書いてみるとわかるかもしれません。

1本の直線を引き、これを矢の動線とします。これを半分に、さらに半分にしていってみてください。

そのうち点になると思います。線は点が横に動いたものだとされているので、

線でない=点の運動がない=止まっているということになります。

線を引くためにペンを置いたそこから動いていないというような状態を想像してみると

「線は点が動いたものである」というのがわかるかと思います。

 

  • 後進と前進

この「飛んでいる矢は止まっている」という理論は運動のパラドックスのうち、後退型解釈に分類されるものです。

ある地点からひたすら距離や時間を半分にしていって最終的に「動いていない」という結論に至る方法です。

逆に「目標地点の半分に到達したとしても、この先の半分を進まねばならない。

そこに至るためにはそのさらに半分の…」と到達地点を限りなく先にすることで最終的に到達できない状態を作り出し、

結果的に「動いていない」という結論に至る方法を前進型解釈といいます。

前進型解釈の代表は「アキレスと亀」というパラドックスです。

そちらについては別の記事で解説しているので、そちらを参考にしてみてください。

不気味の谷現象とは?

  • 不気味の谷現象とは?

不気味の谷現象というのをご存知でしょうか?

不気味の谷現象とは、ロボット工学や美術などでよく用いられる用語で、

ロボットや彫刻など、リアルに作られた人の顔がなんだか不気味に見えるというものです。

また、そこから意味を広げて「動作はリアルだけど人間らしさがない」という違和感を指すこともあります。

 

  • 不気味に感じる谷

これはロボット工学者の日本人が提唱したものです。

のちにロボット工学のパイオニアとなる彼は「ロボットの外観や動作が人間らしいほど好感的、共感的に感じ、

親しみをおぼえる人が多くなっていきますが、ある時点で突然強い嫌悪感に変わります。

そこからさらにロボットの外見や動作をリアルに近づけ、

本物の人間の外観や動作と見分けがつかなくなると再びより強い好感に転じ、

人間と同じような親近感を覚えるようになる」と考えました。

このロボットのリアルらしさと好感度の推移をグラフにするとちょうどV字のようになっていることから、

不気味の谷現象と名付けられました。

 

  • 閲覧注意

不気味の谷現象というのは、実験に基づいた科学的な説ではありません。

あくまで予想や推測によって立てられた理論なので非科学的であると非難されてきました。

しかし、映画やゲームなど、キャラクタービジネスの世界では、この理論が重要な問題として捉えられてきました。

 

代表的なものでは、2001年に発表されたCGアニメ映画「ファイナルファンタジー」です。

当時のCG技術を駆使し、圧倒的な美麗CGによる映像でしたが、キャラクターが汗をかかない、

目線が明後日の方向を見ている、唇の動きが台詞とずれているなど、

人間らしさがまったくなく違和感をおぼえる部分が非常に多く、非常に奇怪なものとして視聴者の目に映りました。

 

他にも、マネキン人形などは成形技術が発達したおかげで

精巧なマネキン人形「スーパーリアルマネキン」を作ることができるようになりました。

しかしリアルすぎるマネキン人形は見ている人に不気味さを感じさせ、

マネキン人形への忌避感からマネキン人形に着せた服が売れないという問題が発生し、

スーパーリアルマネキンは衰退したというエピソードがあります。

これもまた、不気味の谷現象によるものです。

 

  • 谷を乗り越えろ

映画業界やゲーム、アニメ業界などはこういった不気味の谷現象に悩まされてきました。

リアルに近づければ不気味の谷現象がやってくる、

デフォルメすれば「リアルさがない」と視聴者やプレイヤーに思われてしまうという板挟みにあってきたのです。

その解決方法として採用されるようになったのが「モーションキャプチャー」というシステムです。

モーションキャプチャーは人の動きをデジタル的に記録する技術で、

全身に貼り付けたマーカーによってデジタル的に処理し、取り込むものです。

このモーションキャプチャーという技術を使い、

キャラクターに人間らしい動きをさせることで違和感をなくし、不気味の谷現象を乗り越えることができました。

こうして、人間の動作に関してはだいぶ乗り越えることができるようになったのですが、

顔の造形の分野ではまだまだ課題が多いというのが現状です。

グラフィック技術の限界による「似せても似せきれない部分」によって不気味の谷に落ちる危険がまだまだあるのです。

アニメやゲームのフィギュアなどではキャラクターの造形が大きく崩れたことで不気味の谷現象が発生し、

元のキャラクターの原型をとどめなくなってしまったものがあります。

こういった不気味の谷に陥ったフィギュアを指して「邪神」などと揶揄されることがあります。

 

  • 科学的に証明しよう

不気味の谷現象が提唱され、人々へ認知が広まったことで脳科学の分野などで不気味の谷現象の解明が行われるようになりました。

その結果、脳の「対象の外見を認知する部分」と「対象の動きを認知する部分」で齟齬が起き、

処理不能になったことで起きるものだと判明しました。

ともあれ本格的な解明はまだまだこれからで、今後の更なる研究に期待が高まります。

ヘンペルのカラスとは?

  • 論証のひとつ

ヘンペルのカラスとは、物事を対偶論法によって解決する際に生じる疑問をカラスを用いた例え話を使って説明したものです。

「なんのことだ?」と混乱するかもしれませんが、ひとつずつ解説していきたいと思います。

 

  • 対偶

対偶とは、「AならばBである」という定義の反対「BでないならAでない」の定義を指します。

たとえば「三角形は3つの角からできている」という定義があります。

これは「3つの角がなければ三角形でない」と同じことです。

4つの角があればそれは四角形ですし、5つの角があれば五角形というものです。

四角形も五角形も、当然「三角形」ではありませんよね。これが対偶と言われる理論です。

 

ヘンペルのカラスも同じ対偶の理論です。

「カラスは黒い」ということを証明するは、

その対偶である「世の中に存在するすべての黒くないものはカラスでない」を証明すれば成り立ちます。

世の中の黒くないものを全部調べ、その中にカラスがなければ対偶の証明によって「カラスが黒い」ということが成り立ちます。

 

  • 調べてみた

ということで、「黒くないものはカラスでない」を証明するため、

世界中の学者たちは世の中すべての黒くないものを調べることにしました。

ちなみに黒いものがカラスか海苔かゴマかイカスミかということは関係ないので調べる必要はありません。

そして、黒くないものの中にカラスがいないということを確認し、かくして「黒くないものはカラスでない」ということを証明しました。

対偶の証明によって「カラスは黒い」ということも成り立ったので、「カラスは黒い」ということが証明されました。

お気づきでしょうか。

カラスを1羽も調べることなく、「カラスは黒い」ということを証明しているということに。

「カラスが黒いってことを調べるのに、どうして肝心のカラスでなく、カラスじゃないものを調べているの?」という素朴な疑問に行き当たると思います。

対偶がどうとか難しいことなんてわからない私たちには「おかしくないか?」と思うことでしょう。

そうであるのに、対偶論法を当てはめるとこんな疑問点など無視して「カラスは黒いことが証明された」となってしまっているのです。

 

  • おかしい点

この理論をおかしいと思ってしまう原因はいくつかあります。

ひとつは、「世の中すべての黒くないものを調べた」という無理難題を達成しているという点にあります。

生物から物体、化学物質あらゆるものをすべて調べるという不可能をなしています。

もうひとつは、たとえばアルビノ種のカラスなど、黒くないカラスという存在は実在しています。

そういった存在を考えれば、「黒くないものはカラスでない」という理論は間違っているわけです。

このギャップが私たちに違和感を感じさせている原因です。

 

ヘンペルのカラスは、対偶論法が生み出す現実との差異を指摘したものです。

もっとも、フィクションで引用される時は「AはBであるということは、BでないものはAでない」という対偶論法のたとえとして用いられることが多く、

ヘンペルのカラスの本質である対偶論法と現実の差異については無視されることが多いです。

ヤマアラシのジレンマとは?

  • ハリネズミのジレンマともいいます

「ヤマアラシのジレンマ」をご存知でしょうか?

アニメ「エヴァンゲリオン」で有名になったあれです。

「エヴァンゲリオン」で引用されたその内容は、

要約すると「寄り添いあいたいが、寄り添うと互いに傷つけてしまう」というなんとも微妙に間違った解釈の上、

そこから傷の舐め合いや共依存がどうこうという話に広がっていきます。

違います。なんですかその表面だけさらったような内容は!!!

と憤慨極まりないので、今回は正しいヤマアラシのジレンマを覚えていただこうと思います。

 

  • 元は寓話

ヤマアラシのジレンマはドイツの哲学者ショーペンハウアーさんが考えた寓話を

心理学者のフロイトさんが論じて名付けられたものです。

要約して日本語訳すると以下の通りになります。

 

ある冬の寒い日、たくさんのヤマアラシたちが暖を求めて群がったが、

互いのトゲによって刺されるので、離れざるを得なくなった。

しかし再び寒さが彼らを駆り立てて、同じことが起きた。

結局、何度も群れては離れを繰り返し、互いに多少の距離を保つのが最適であるのを発見した。

これと同様に、社会における必要に駆り立てられ、人間というヤマアラシを集まらせるが、

多くのトゲや互いに性格の不一致によって不快を感じさせられる。

結局、交流において許容できるような最適の距離感を発見し、それがいわゆる礼儀作法やマナーである。

それを逸脱する者は、英語では「to keep their distance」(距離を保て)と乱暴に言われる。

この取り決めによって、初めて互いに暖を取る必要が適度に満たされ、互いの針で刺されることも無くなる。

とは言え、自らの内に暖かみを持つ人間は、人々の輪の外に居ることを好むであろう。

そうすれば互いに針で突いたり突かれたりすることも無いのだから。

 

おわかりでしょうか。

「エヴァンゲリオン」で引用されたヤマアラシのジレンマは最初の1行しか使っていないということに。

「お互いに適度な距離を保てば心地よく過ごせる」というのがまったく違う意味として引用されているということに。

心理学を学んだ人間としては憤慨ものですよ!!

 

  • ジレンマ

要はヤマアラシのジレンマというものは、

「自己の確立」と「相手との一体感」という2つの欲求の対立によって発生した板挟みの状況を回避するために

どちらにも偏らない適度な距離を保てばいいという話なのです。

そこまで踏み込んでしまえば「エヴァンゲリオン」におけるヤマアラシのジレンマとは、

「人類補完計画」の「みんな一緒の存在になろう」という他者との一体感という目的、

そこからの独立というテーマにつながってくるのですが……そういう意味で引用しているわけではないんですよね。

ということで、これを読んでいる皆様、本当のヤマアラシのジレンマというものを覚えられたでしょうか?

しっかり覚えてください。そして正しい意味で引用してください。

 

ちなみに、本物のヤマアラシは実際どう暖を取っているのかというと、頭などの針のない部分をくっつけ合ったりしているようです。