
- SCTテストとは?
SCTテストとは、文章完成法とも呼ばれます。
Sentence Completion Testの頭文字を取ってSCTと呼ばれますが、一般的にはSCTテストと呼ばれます。
略さないでいくとSentence Completion Testテストと「テスト」の単語が連続してしまってよくわからないことになりますが、
SCTだけでは心理テスト以外のあらゆる「SCT」という単語が検索でヒットなどしてしまうので、
心理テストのSCTですよというのを示すためにSCTテストと呼ばれます。
どういったテストかというと、途中で途切れた文章の続きを書くという心理テストになります。
- 実際にやってみよう
ちゃんとしたものは全部で60問~100問あるのですが、どういったものかという「さわり」の部分だけやってみましょう。
まず、紙、もしくはパソコンのメモ帳やワード、スマホのテキスト作成アプリなど、
「ある程度の長さの文章を書けるもの」を用意してください。
「このテストは文章を作成するテストなんだし、頭の中で文章を考えるだけでいいのでは?」と思うかもしれません。
ですが、できれば頭の中で考えるだけではなく、何かしらの形で書き出せる(書いた後に見返せる)ものにしてください。
用意できましたか?
それでは、やっていきましょう。
以下の1から5まで提示した文章の続きを自由に書き出してください。
一言で済ませてもいいですし、ある程度の長さのある文章でも構いません。
1.子供の頃、私は
2.私はよく人から
3.家の暮らしは
4.もし私の父が
5.もし私の母が
できましたか?
- 何がわかるの?
SCTテストは投影法に分類される心理テストです。
投影法とは、その人が図形を見て感想を抱く時、自分の内心を投影しているのだという説に基づくテスト方法です。
普段意識しない内心が投影された回答を分析することによって、
自分のパーソナリティや無意識的な衝動や欲動、知覚パターンなどを理解することができます。
SCTテストによって、「自分は自分をどう思っているか」という自己概念や、
自分の性格傾向から現在の問題まで個人のパーソナリティを幅広く把握できます。
たとえば、「私が知りたいのは」という文章の後に
「あの時失敗さえしなければどうなっていただろうか」と続いていた回答があったとして、
その回答から「過去にこだわっている」という答えを導き出します。
こういったように、自分の性格に関すること、家族関係、対人関係などを判明させていくのがSCTテストです。
- どうやって知るの?
SCTテストの分析は「バウムテスト」や「ロールシャッハテスト」のように、
内容に関することだけでなく、「どのように書いたか」といったことも分析の対象となります。
書かれた内容の前にまず、問題文である文章を見てから文章を書き始めるまでの時間(反応時間)や、
文章自体の長さ、筆跡、文法的な誤りなどをチェックします。
文章を書き始めるまでが長いと、頭の中で文章を組み立ててから書き始める慎重なタイプだということがわかりますし、
文章が短ければ自分のことを話したがらない性格だというのがわかります。
そして次に内容ですが、特に「こういう答えをしたらこういう解釈」であるということは決まっていないようです。
重要なのは、解釈や仮説をいくつも出していくことです。
自分のことを多角的に観察し、分析することが大事です。
また、文章を作る時に社会的な望ましさに歪められることもあります。
「本当は殺したいくらい嫌いだけど、殺したいなんて書いたら危険人物みたいに思われてしまうかも…
書く文章は嫌いって一言くらいにとどめておこう」といったふうです。
そういったことを考えながら文章を解釈していくといいでしょう。
自分の新しい側面に気付けるかもしれません。